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疾患別養生法

2022.12.19
疾患別養生法

寒さによる呼吸器トラブルが急増中!

「空気が乾燥してくると、咳や痰などの不調が出やすい」
寒くなると鼻づまりやのどの乾燥などの不調をどうにかしたい」

このように、気温や湿度が変わりやすい季節は、乾いた空気が鼻や喉から入り込んで「肺」を侵すため、呼吸器系の症状を訴える人が多くなります。

少しの不調だからといって放っておくと、気道や気管支の炎症が繰り返し起こり、喘息などつらい病気にもつながりかねません。
呼吸器系の不調や喘息症状を起こりにくくするためには、日頃のセルフケアなど早めの対策が大切です。そこで今回は、呼吸器の不調や原因・対策を詳しくご紹介します。

 

 

1. こんな不調には要注意

「肺」だけでなく鼻や喉などの呼吸器系は、呼吸を通じて自然界と繋がっているため、乾燥した空気の影響を受けやすいという特徴があります。
ほかにも、アレルゲン(花粉やダニの死骸など)の影響や、朝晩と日中の気温差による自律神経の乱れによって免疫力が低下し、気管支炎や喘息、咳、副鼻腔炎などが起こりやすくなります。

ご自身の不調に当てはまるかチェックしていきましょう。

・口や鼻の乾燥
・乾いた咳
・のどの渇き
・のどの痛み、違和感
・痰が白く粘りがある
・痰が黄色く出にくい
・胸苦しさがある
・鼻水、鼻づまり

 

上記のような不調が気になる人は要注意。
症状に個人差はありますが、少しでも違和感を覚えたら早めの対策を心がけましょう。

 

2. 乾燥だけではない?!呼吸器系の不調は要因がいっぱい!

長引く咳や痰がらみ、鼻づまりなどの不調は、空気の乾燥だけではなく、寒暖差や生活習慣が要因となることが多々あります。
以下に、呼吸器系の不調が現れる要因を詳しくご紹介します。

 

・寒暖差による自律神経の乱れ
寒暖差による自律神経の乱れは、呼吸器系の不調を引き起こします。

自律神経には、活動時に活発になる交感神経と、睡眠時やリラックス時に活発になる副交感神経のふたつがあります。これらは司令塔の役割を担う神経で、バランスよく働くことで全身の臓器や筋肉の働きを調節しています。

また、自律神経には気温変化に順応して血流や発汗を調節し、体温を一定に保つはたらきもあります。

そのため、寒暖差により交感神経と副交感神経のスイッチの切り替えがうまく調整できなくなると、気管支まわりの筋肉(気管支平滑筋)がバランスよく収縮・拡張できなくなり、咳や痰などの不調を引き起こすのです。

1.昼は少し暖かく朝晩は冷え込むといった外の寒暖差
2.暖房のきいた部屋から寒い風呂場への移動といった室内での寒暖差など、家の中でも寒暖差がでる時季ですので注意が必要です。

 

・ストレスの蓄積
ストレスをため込むと自律神経が乱れ、気管支平滑筋の収縮につながります。その結果、気道が狭まり呼吸器系の不調が悪化してしまいます。

 

・疲労の蓄積
疲労時は、免疫力が低下してるため、感染症にかかりやすくなります。
そうすると、細菌やウイルスが、鼻やのどの粘膜細胞に吸着して細胞内で増殖し気道炎症につながってしまうのです。

 

・生理前や妊娠中のホルモンバランス
生理前や妊娠中は、女性ホルモンの1つであるプロゲステロンが増えて、体に水がたまりやすくなります。そうすると、気管もむくみやすくなり呼吸器系の症状が悪化してしまうのです。
例)喘息患者さんの約1/3が妊娠中に悪化するとされています。

 

・BMI25以上の肥満
肥満の人は、脂肪細胞から炎症を誘発する3つの物質が多く分泌されているため、呼吸器系の不調が悪化しやすくなります。以下に詳しく示します。

(1) レプチンの分泌
脂肪細胞が多い人は、レプチン(食欲をコントロールするホルモン)の分泌量が多くなります。レプチンの分泌量が増えると、不要になった好酸球(*1)が死ににくくなったり、好酸球による炎症状態を促進することがわかっています。
(*1)好酸球:侵入した寄生虫や細菌を攻撃しますが、分泌されすぎると周りの組織を傷つけて炎症が起こってしまいます。

(2) TNF-αの分泌
免疫機能が正常な人では、体内で細菌やウイルスなどによる感染を防いだり、腫瘍細胞が発生した場合に排除したりするはたらきをします。
正常に分泌される分には問題はないのですが、肥満の人はこの分泌量が多いので、反対に炎症を活性化させてしまいます。

(3) PAI-1(プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター)
血液が固まりやすくなり、リモディングのように気道が狭いまま戻らない状態がおこりやすくなります。

 

・アルコール
お酒を飲んだ後、アルコールは速やかに分解されますが、分解過程の「アセトアルデヒド」が有害物質となり咳や発作が誘発される場合があります。
有害物質のアセトアルデヒドは、最終的に酢酸と水にまで分解されて無害なものとなりますが、日本人は体質的にアセトアルデヒドを分解する働きが弱いといわれています。

 

・タバコによる肺機能低下
タバコを吸うことで、気管支や肺胞に炎症が起き、気管支が狭くなります。この炎症が慢性化すると、最終的には肺胞が破壊され、肺が空洞化する危険性もあります。
その結果、呼吸機能は著しく低下し酸素が取り込みにくくなるのです。
また、タバコは喘息治療薬など呼吸器系の吸入薬でよく使われる吸入ステロイドの効果を低下させてしまいます。

上記のように、呼吸器系の不調はさまざまな要因によって引き起こされ、状態が悪くなってしまいます。
気道の炎症を繰り返さないためにも、早めの対策が必要です。

 

3. 喉の乾燥や咳には養生が必須!日々の暮らしで肺を元気に

呼吸器の不調は、思いがけない生活習慣や環境などが要因となります。
ご自身に合った養生を取り入れていくことが大切です。
今回は、数ある養生の中から、手軽にできるものをご紹介します。

 

・毎日の入浴が大切
ストレスや過労などによる細胞の損傷を修復するタンパク質群をご存じですか。このたんぱく質群をヒートショックプロテインと呼ばれ、自律神経やホルモンバランスを整え、睡眠改善や皮膚修復、老化予防などにも注目されています。

このヒートショックプロテインを増やす行動が入浴です。40度のお湯に20分つかるを続けることで増えると言われてます。

 

・のど飴をなめる
通常、のどは唾液によって潤っており、ウイルスや細菌から守られています。しかし、マスク着用による口呼吸による口の中の乾燥や免疫力の低下により唾液の分泌量が減ると感染防御力が低下してしまいます。そのため、のど飴をなめて潤いを保つことが保湿ケアにつながるのです。
抗菌効果や花粉症予防になる「プロポリス」や、気管を拡張し咳に効果が期待できる「南天」、気管支を潤してくれるような「板藍根エキス」などが含まれているノンシュガーのものがよいでしょう。

 

八仙堂では、板藍根エキスが含まれる飴をご提供しておりますので、ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。

 

・唾液腺をマッサージ

唾液は、口やのどを潤し、殺菌や免疫力を高める効果があります。唾液の分泌を促すためには、唾液腺をマッサージするのがおすすめです。

まず、親指をあご下の骨の内側にある、柔らかい部分に当てましょう。そして、そのラインに沿って、耳の下まで5か所に分けて順番に押していきます。徐々に唾液が出るのを感じたら、唾液は飲み込みましょう。食事前やのどの乾燥が気になるときに実践するとよいでしょう。

 

八仙堂では、上記の養生以外にも、食養生やおすすめの運動など、さまざまな角度からお客様に合った養生法をご提案させていただいております。

 

体質や原因などタイプに応じた漢方薬と、生活養生を組み合わせていくことで、からだや心の不調を緩和しさらに再発予防することも可能です。
ほかにも、西洋医学的治療の効果をより発揮できるように、漢方薬をご提案いたします。

 

漢方薬は、その人に最適な生薬の組み合わせでないと効果がないだけではなく、副作用が起こる場合もあります。大切なのは、自分に合った漢方薬を選ぶことです。

 

店舗でのご相談だけでなく、「Web漢方相談(メール相談)」や「電話相談」も行っていますので、一人で悩まずにこうした相談窓口を利用して、専門家に相談してみては如何でしょうか。

 

自分に効く漢方と出会いたい、お手頃価格で不調を改善したい、という方におすすめです。
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〈この記事を書いた人〉
八仙堂(漢方相談員、薬剤師)堺谷 弥幸
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