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漢方健康ブログ

2023.06.16
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梅雨時の頭痛! タイプを見極めて正しい予防対策を!

「体が重だるく、頭が痛くなることが多い」「雨が降る前に頭痛がする」「出産後、頭痛が起こりやすくなった」

このような頭痛のお悩みは、季節関係なく起こり得ますが、とくに最近、梅雨入りしてからご相談が増えてきております。

梅雨に入ると、気圧変化が大きくなり湿度も高くなるため、頭痛持ちの方はより一層辛く感じられるかもしれません。

 

「頭痛」には、片頭痛・緊張型頭痛・群発頭痛など誰しもなりうる一次性頭痛や、他の病気が原因となり引き起こされる二次性頭痛があります。

頭痛の原因や症状には個人差があります。

起こりやすい頭痛の特徴や原因を理解して、頭痛予防や対策をすることで、日々をより快適に過ごすことができるでしょう。

今回は、「頭痛の特徴や原因、メカニズム」「天気変動や女性特有の生理と頭痛の関係性」についてご紹介します。

1. 頭痛のタイプの見分け方

片頭痛や緊張型頭痛、群発頭痛のような、はっきりとした原因が特定できずらい頭痛。これらの頭痛は、タイプによって予防法や対処法が大きく異なるため、間違った方法でかえって痛みが悪化するなど、逆効果にもなりかねません。

自分の頭痛がどのタイプか見極めていきましょう。以下の表にまとめます。

このなかでも、片頭痛や群発頭痛は前兆や予兆の症状が起こることがあります。

女性特有の生理前後に起こる頭痛は「月経関連片頭痛」とも呼ばれており、片頭痛に分類されています。また、この時期になるとご相談が増える「気象変動(気温や気圧変動)」による頭痛は、片頭痛もしくは緊張型頭痛に分類されます。

 

<片頭痛>

片頭痛は前兆のあるタイプ(2.6%)と、前兆のないタイプ(5.8%)に分けられます。

☆前兆がある片頭痛

(前兆症状)

・キラキラ・ギザギザした光が目の前に小さく出現(閃輝暗点)

・視野の一部が見にくくなる

・まれに、片側の手足の脱力やしびれ、言語障害が見られることもある。

上記の症状が約5〜20分、長くて60分持続して、前兆が消失する頃に激しい拍動性頭痛が始まります。

☆前兆がない片頭痛

・頭の片側がズキズキと脈打つような強い頭痛発作を繰り返す

・痛みは、数時間から長い時には3日程度持続

・動作により頭痛が悪化し、頭痛と同時に気分が悪くなったり吐き気を催したり、光や音に敏感になるといった症状を伴うことがある

片頭痛は緊張型頭痛と併発することがあるため、どちらの症状が強いか見極めることが大切です。

 

<群発頭痛>

(予兆:症状が出る1~2日前 / 前兆:症状が出る1時間以内)

・予兆症状:寝つきの悪さ、夜間の突然の覚醒、もしくは顔面の額のあたりの赤らみ

・前兆症状:首の張り、目のかすみ

※激しい頭痛はくも膜下出血や脳隨炎、脳腫瘍などの重大な病気が疑われる場合があるため、注意が必要です。

 

2-1.  『片頭痛』の原因とメカニズム

片頭痛は、ストレスの寛解時(緊張が緩んだとき)に起こりやすく、寝不足や疲労、光や音、ニオイの刺激が原因で発生することもあります。

また、月経前から月経時・産後に女性ホルモンが減少し、それに伴いセロトニン分泌が減少することも誘因のひとつです。

 

『片頭痛の主な誘因』

ストレス、精神的緊張(解放されたときに起こりやすい)、疲れ、月経、出産後、更年期、寝不足、寝過ぎ、空腹、アルコールの摂取、人ごみや騒音などの物理的な刺激、まぶしい光、強いにおい、天候の変化、温度変化、高い湿度 など

 

『片頭痛のメカニズム』

明らかにはなっていませんが、「血管説」「神経説」「三叉神経血管説」の3つの説があり、それぞれのメカニズムをご紹介します。

  • ①血管(セロトニン)仮説
  •  1.ストレスなどの要因で血小板からセロトニンが多量に放出され、脳血管が収縮する
  •  2.脳の血流が減少し、前兆期の症状が生じる(前兆期)
  •  3.セロトニンが代謝され血中セロトニンが枯渇し、逆に頭蓋内外の血管が拡張する
  •  4.血液の成分がしみ出して、血管壁に炎症・浮腫が生じる(持続性頭痛)
  •  5.神経から痛みを引き起こす「発痛物質」が沢山出て、広い範囲で鈍痛を感じる
  • ②神経説

脳の神経細胞の活動異常が原因であるといわれています。

三叉神経などの末梢ではなく、痛みを感じる「脳幹」という部分が関与しているのではと考えられた仮説です(これだけでは頭痛そのものの由来が説明できず、随伴症状も説明できていません)。

③三叉神経仮説

  •   1.何らかの誘因(光や音、ニオイなど)で血管周辺部の三叉神経が刺激される
  •   2.三叉神経から神経ペプチドが放出される
  •   3.血管拡張、血管透過性が亢進による炎症を伴う頭痛が起こる

また、三叉神経はこめかみの近くにあるため、刺激されることで炎症物質が産生され、さらに血管が拡張し悪循環になります。

 

2-2.  『緊張型頭痛』の原因とメカニズム

緊張型頭痛は、身体的・精神的なストレスが複雑に関係していると考えられています。

①身体的ストレス

側頭筋や後頚筋群、僧帽筋などの、頭〜首〜背中にかけての筋肉のコリや張りによって、痛みを感じる神経が刺激されることで痛みが起こると考えられています。

例)長時間の同一姿勢(俯き姿勢など)、PCやスマートフォンの長時間使用、眼精疲労

<メカニズム>

  •  ・頭、首、肩の筋肉が緊張する
  •  ・硬くこわばった筋肉が血管を圧迫し、血流が悪くなる
  •  ・乳酸などの疲労物質(老廃物)が筋肉にたまる
  •  ・痛み物質であるプロスタグランジンなどが生産される
  •  ・痛み物質が神経を刺激し、頭痛へつながる

前述の他にも、運動不足や顎関節症なども緊張性頭痛につながります。

②精神的ストレス

精神的ストレスが続くと自律神経のバランスが崩れ、筋肉の緊張や血管収縮が生じ、頭痛につながります。

生真面目な性格や几帳面さを持った人がかかりやすいと言われています。

 

2-3.  『群発頭痛』の原因とメカニズム

群発頭痛の原因は未だ明らかになっていませんが、脳の視床下部に関係しているといわれています。

また、片頭痛と同様に血中のセロトニン低下・ヒスタミン増加は確認されていますが、因果関係は明らかではありません。

<メカニズム>

  • ・視床下部が刺激を受けると、頭部に分布する三叉神経が痛みを感じる
  • ・三叉神経がつながっている目の奥の辺りに激痛が起こり、三叉神経とつながっている副交感神経が優位になる
  • ・目の充血、涙や鼻水が止まらないなどの症状も起こる

(三叉神経は頭の左右に分かれて顔の片側だけに起こります)

〈誘発因子〉アルコールの過剰摂取、タバコ、気圧の急激な変化、不規則な時間帯の睡眠 など

 

3. 天気変動や生理×頭痛の関係

ご相談が多い、天気変動や生理現象による頭痛は、実は、先ほどご紹介した一次性頭痛に分類されます。

 

☆天気変動(気温や気圧変動)による頭痛:片頭痛もしくは緊張型頭痛

①暑い季節の頭痛:片頭痛

 暑い屋外と、冷房がきき過ぎた冷えた室内を行き来することで、自律神経のバランスが崩れて頭痛が発生します。

 

②寒い季節の頭痛:片頭痛もしくは緊張型頭痛

 寒い屋外から暖房の効いた屋内に移動するなど、急な温度変化により自律神経のバランスが乱れて頭痛が発生します。

主に片頭痛であることが多いですが、寒さで肩を縮めたり、重い衣類を着用したりすることによって、筋肉がこわばり緊張し、緊張型頭痛が起こることもあります。

 

③雨天時の頭痛:片頭痛

気圧変動や湿気により頭痛が起こりやすくなります。

雨の日前に低気圧が来ると、体内でセロトニンの分泌量が不安定になり、片頭痛が起こりやすくなります。また、低気圧でからだの細胞間に湿気が入り込み、血管を収縮させることで緊張型頭痛にもつながります。

 

☆女性特有の生理前後に起こる頭痛:片頭痛(「月経関連片頭痛」とも呼ばれています)

女性ホルモンのひとつ「エストロゲン」が頭痛と関係しているといわれています。

女性ホルモンには、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類があります。

これらのホルモンの分泌量は、月経の周期に合わせて増減しており、月経前出産後、更年期(閉経)にはどちらのホルモンも大きく減少します。

エストロゲンが減少してセロトニンというホルモンの量が減ることで、脳の血管が広がり、周りの神経を圧迫して頭痛が起こります。このとき、セロトニンが減少して痛みに敏感になっているため、普段に比べ痛かったり、薬が効きにくかったりと感じてしまうことが多いのです。

 

生理現象以外にも、ホルモンバランスが乱れる原因には、疲れやストレス、不摂生な食事、不規則な生活があげられるため、規則正しい生活が大切です。

 

 

八仙堂では、食養生やおすすめの運動など、さまざまな角度からお客様に合った養生法をご提案させていただいております。 

体質や原因などタイプに応じた漢方薬と、生活養生を組み合わせていくことで、からだや心の不調を緩和しさらに再発予防することも可能です。
ほかにも、西洋医学的治療の効果をより発揮できるように、漢方薬をご提案いたします。

 

漢方薬は、その人に最適な生薬の組み合わせでないと効果がないだけではなく、副作用が起こる場合もあります。

大切なのは、自分に合った漢方薬を選ぶことです。

 

店舗でのご相談だけでなく、「Web漢方相談(メール相談)」や「電話相談」も行っていますので、一人で悩まずにこうした相談窓口を利用して、専門家に相談してみては如何でしょうか。

 

自分に効く漢方と出会いたい、お手頃価格で不調を改善したい、という方におすすめです。
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〈この記事を書いた人〉
八仙堂(漢方相談員、薬剤師)堺谷 弥幸
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