八仙堂薬局

漢方相談のご予約・お問い合わせはお気軽に!

漢方健康ブログ

2022.09.30
漢方健康ブログ

意外と知らない「お肌の夏バテ」/原因を徹底解説!

「夏から秋にかけて、肌の調子が悪くなりやすい」

「秋になると、皮膚炎やアトピーがひどくなる」

このような経験をしたことはありませんか?

 

季節の変わり目は、朝夕と日中との気温差や台風などによる湿度の影響などで不調が出やすくなります。

その中でも「お肌の不調」は秋にかけてご相談が多くみられます。

夏バテの疲労感や睡眠不足など、少しでもからだの変化を感じられている方は、もしかしたらお肌も夏バテ状態かもしれません。

そこで今回は、秋にかけてお肌の調子や皮膚疾患がなぜ悪化しやすいのか、原因を漢方的な観点も含めご紹介します。

 

1. お肌も夏バテ!?その原因は?

夏は、強い紫外線やクーラー、汗による刺激、マスク着用による熱気による蒸れなど、お肌にダメージを与える要因がたくさんあります。

皮膚の細胞が生まれ変わるターンオーバーの期間は個人差はありますが約4~6週間。夏のダメージは肌のターンオーバーに悪影響を与え、秋の肌トラブルや皮膚症状の悪化につながります。

 

1-1. 肌トラブルはターンオーバーの乱れが原因?

ターンオーバーとは、皮膚が生まれ変わる一定サイクルのことを指します。

古い皮膚細胞が角質や垢として剥がれ落ちると、新しい細胞と入れ替わるために皮膚の奥から新しい皮膚細胞がつくられ、それが上へ上へと押し上げられて、皮膚表面に出てきます。

これをターンオーバーの1サイクルとして、人間の皮膚は繰り返し生まれ変わっているのです。

夏の疲れや外部刺激などでターンオーバーが乱れ、サイクルが早まったり遅くなったりすると、肌トラブルにつながります。

 

①ターンオーバーが早くなる場合

紫外線や汗などの外部刺激は、皮膚のバリア機能や潤いを保つために必要な角質層(皮膚のもっとも外側にある)を剥がしてしまいます。

これによって、ターンオーバーのサイクルが早まることがあります。

ターンオーバーが早くなると、新しくつくられた細胞が成長できないまま皮膚表面に出てきてしまうため、通常よりも保湿力やバリア機能が弱まります。

そうすると、肌が乾燥しやすく、皮膚の痒みや老化などにもつながります。

 

②ターンオーバーが遅くなる場合

胃腸機能が弱い人やデトックス力が低い人は、皮膚のターンオーバーが遅くなる傾向にあります。また、加齢に伴い新陳代謝が低下するとターンオーバーも遅くなります。

ターンオーバーが遅くなると、古い皮膚細胞が剥がれ落ちにくく、皮膚が新しく生まれ変わらないため、古い皮膚がたまっていきます。また、シミやニキビ跡の原因である「メラニン」も、うまく排出できず蓄積されます。

これが繰り返されると、皮膚がごわついて肌の透明感がなくなり、シミやそばかす、ニキビ跡など、肌トラブルや肌老化という悪循環に陥ってしまうのです。

 

1-2. 夏の疲れも要注意!?内側からくる肌トラブル

夏の間、「暑さや湿気による寝不足」や「食欲低下による栄養不足」、「食事で胃もたれしやすい」など、気になる不調はありませんでしたか?

夏にたまった疲れは、皮膚の新陳代謝を低下させ、紫外線などでダメージを受けた皮膚の修復を遅らせます。

さらに、夏から秋にかけて朝晩の気温や湿度が低下するため、自律神経やホルモンバランスが乱れやすくなり、血行不良を起こしやすくなります。血流が悪くなると、皮膚まで栄養や酸素が行き届かず、皮膚の修復力や潤いが低下し肌トラブルにつながるため、日常生活から気候変動に負けないからだづくりをすることが必要です。

 

また、夏の間冷たいものを摂りすぎていた人は、胃腸機能が弱まっている可能性があります。

胃腸機能が弱まると、食べ物をしっかり消化できず、腸内に老廃物が溜まりやすくなります。そうすると、体内の血流や水分代謝が低下するだけでなく、腸内に悪玉菌が増殖し、つくられた有害物質が肌の不調を引き起こしてしまうのです。

 

上記のように、からだの内側からくる肌トラブルは、放っておくと長引きやすいため、早めの対策が必要です。

 

2. 湿気から乾燥の季節へ!気候の変化に要注意

秋は、風が涼しく心地いい季節ですが、空気の乾燥により肌トラブルも発生しやすい季節でもあります。

以下に、湿気から乾燥の季節変化がなぜ肌トラブルにつながるか、漢方の観点も含めご説明します。

 

漢方の観点では、夏から秋にかけて多く見られる肌トラブルは、「燥邪(乾燥)」が主な原因と考えます。

燥邪は、空気中の乾燥「外燥」と体内の潤い不足「内燥」の2つに分類できます。

体内の潤いが不足している人ほど燥邪による影響を受けやすいため、夏にどれほど消耗したか・消耗した分を補えたかによって、秋の肌トラブルのレベルは決まるといえます。

 

【夏に体内の潤いを消耗する要因・補えない要因】

・多量の発汗

・クーラーによる乾燥

・睡眠不足

・ストレスの蓄積

・冷たいものの摂り過ぎ

・暴飲暴食

 

このような要因により、体内の血液や水分などの潤いが不足し、十分につくれていないと体内がカラカラな状態に(内燥)。

そこへ外燥が影響すると、皮膚のかさつきや痒みが生じ、さらに炎症を起こすと赤みや痛みが出やすくなります。

また、「湿(湿気)」が多い夏は、どうしても胃腸機能が低下しやすいため、夏のうちに養生を怠ってしまうと、秋の肌トラブルにもつながりやすくなります。

 

上記以外にも、秋は「肺」の乾燥にも注意が必要です。

「肺」は、潤いを好み乾燥に弱い臓器です。皮膚の健康と深い関わりがあるため、肺の乾燥状態はすぐに皮膚に現れます。

そのため、乾燥する秋にかけて、肺の潤いを保つように意識することが大切です。

 

3. まとめ

今回は、肌の夏バテについて原因を詳しくご紹介しました。

普段からストレスや睡眠不足を感じていたり、暴飲暴食など生活習慣が乱れていたり、といったことに心当たりはありませんか?

からだに負担がかかる状態を放っておくと、体内循環も悪くなり、皮膚に栄養を送り込めなくなってしまいます。

長引く症状に悩まされず快適な生活を送るには、原因やメカニズムを理解した上で、ご自身に合った治療やセルフケアを行うことが大切です。

 

「ご自身の体質を詳しく知って、適切な治療をしていきたい」

「食事や運動など健康に気をつかっているのに、なかなか症状がよくならない」

そういった人は専門家に相談してみるといいでしょう。

「八仙堂」では、体質に合わせた漢方薬だけでなく、養生法(セルフケア)や西洋薬について、お客様の納得がいくまで詳しくご紹介・ご説明させて頂きます。

店舗でのご相談だけでなく、「Web漢方相談(メール相談)」や「電話相談」も行っていますので、こうした相談窓口も利用してみてくださいね。

 

八仙堂HP:https://www.hassendou.com/

Webメール相談はこちら:https://ssl.form-mailer.jp/fms/e76d9c50312236

 

次回は、肌の夏バテ・秋にかけての肌トラブルに対するご養生(セルフケア)をご紹介します。自分に合った養生法を実践できるよう、ぜひご参考にしてください。

 

 

〈この記事を書いた人〉

八仙堂(漢方相談員、薬剤師)堺谷 弥幸

お客様のお悩みやご相談に、誠心誠意お答えいたします。

些細なことでもお気軽にお問い合わせください。

 

ご予約・お問い合わせはお気軽に