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2022.05.03
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アトピー体質をチェックしてセルフケア!

前回までは、アトピー性皮膚炎の西洋医学的治療についてご紹介しました。

病院で処方されるお薬で見た目は改善できたように思えても、皮膚の奥底に炎症が残っていると再発を繰り返してしまう方も多いです。

そんな方へはアトピー性皮膚炎が繰り返し起こらないよう良い状態」をキープできるからだづくり、いわゆるセルフケア(養生)を取り入れることが大切になってきます。

そこで今回は、日頃から簡単にできるアトピー性皮膚炎のセルフケア(養生)について、年代別に詳しくご紹介します。さらに、中医学の観点からみるアトピー性皮膚炎の体質項目も挙げていきますので、どれくらい当てはまるかチェックしてみてくださいね。

 

1.アトピー性皮膚炎のセルフケア(養生法)

1-1. 乳幼児・小児のセルフケア

乳幼児や小児は、皮膚のバリア機能が未発達のため、 成人と比べて外部からの刺激を受けやすい状態です。また、体質的に腸力が弱い子が多いため食事の摂り方には要注意。

スキンケアや食事の摂り方のポイントをまとめてみましたので参考にしてみてください。

 

〈スキンケアのポイント〉

・汗や汚れはこまめに拭き取る

乳幼児は体温が高いため、発汗量も多くその汗が痒みの原因となります。

湿疹のできやすい関節部位やシワの多い首回りなどをこまめに拭き、その都度(1日3〜4回程度)ベビー用化粧水やクリームなどで保湿をしてあげましょう。汗をこまめに拭き取ることで、皮膚に付いた刺激物質による炎症の悪化を防ぎます。

拭き取りの際は、アルコールが含まれていない清浄綿がおすすめです。擦るように拭き取ると肌を傷つけてしまいますので、優しく押し当てるように意識しましょう。

 

・入浴は週2~3回で十分

洗いすぎや入浴のし過ぎは、肌の弱い子には逆効果の場合があります。

乳幼児や小児はのぼせやすいので、暑い時期ならシャワーだけ、寒い時期でも15分以内に入浴が終わるように心がけましょう。

また、入浴時の温度は38~39度程度のぬるめの温度に設定しましょう。

 

・からだの洗い方

 泡立てネットなどを用いてアミノ酸系石鹸を泡立てた状態で洗いましょう。洗う時はタオルなどでゴシゴシ擦らずに、手や指で撫でるように洗い流してあげてください。

石鹸は、香料や合成添加物の少ないアミノ酸系のものを選ぶことがポイントです。

また、シャワーの温度を少し下げて患部にあてることで痒みが軽減します。

お風呂上りには体の熱が冷めてから保湿剤をつけるようにしましょう。

 

〈食事のポイント〉

・同じ食材を続けて食べさせない

乳幼児は消化機能が未熟です。とくに、卵・牛乳・小麦などを続けて食べさせることは避けましょう。

通常、タンパク質はアミノ酸に消化されてから吸収されますが、消化されず大きい分子のまま吸収されたタンパク質は抗原となりやすく、その抗原に対して抗体を作ってしまうことがアレルギーの原因となります。

乳児の食物アレルギーで多くみられる鶏卵・牛乳はタンパク質を多く含みますし、小麦に含まれるグルテンは消化しにくい成分です。これらを続けて食べさせてしまうと、消化酵素が不足して消化できず、結果、アレルゲンとなってアトピー性皮膚炎を引き起こしてしまいます。

 

・適度に良質なタンパク質を摂る

タンパク質はアレルギーを引き起こしやすいとされていますが、良質なタンパク質は皮膚を構成する材料のひとつですので、適度に摂ることが大切です。鶏ひき肉やしらすなど、離乳食でも食べさせられるタンパク質がおすすめです。

 

1-2.成人のセルフケア

アトピー性皮膚炎の症状や原因、悪化する条件には個人差がみられます。

湿疹や痒みなどの症状がどんな時にひどくなるか、悪化するきっかけは何かを確認することが大切です。アトピー性皮膚炎の症状を緩和できるセルフケアは沢山挙げられますので、ご自身に合ったセルフケアをみつけて取り入れていきましょう。

今回は基本となるセルフケアとして、良質な睡眠法・入浴法・食事・保湿のポイントについて挙げてみました。

 

〈良質な睡眠のポイント〉

・食事は就寝3時間前までに済ます

食べたものを腸が消化・吸収するには約3時間かかり、この時間は交感神経が優位になっています。

良質な睡眠を手に入れるには副交感神経が優位な状態を保つ必要があるので、食事は寝る3時間前までに済ませましょう。

 

・よく噛む

食事中よく噛むことを意識することで、胃や腸への負担を減らすことができます。

良く咀嚼して食物を小さくして食べることで胃腸への負担を軽減できるだけでなく、皮膚を構成する栄養を吸収しやすくなり、皮膚の修復力が高まります。「ひとくち30回噛む」ことを意識しましょう。

 

・ 寝室にスマホを持ち込まない

寝る前にスマホやパソコンを使用すると、スマホやパソコンから発せられるブルーライトを含む光によって、脳が明るい昼間と錯覚します。そうすると、体内時計に深く関わるメラトニンの分泌量が抑制され、脳が覚醒してしまい、眠りが浅いなどの睡眠障害を引き起こしやすくなるのです。

どうしても就寝2時間前に使用を控えるのが難しい人は、ブルーライトカットメガネなどを使用するのもオススメです。

 

・寝る前に軽いヨガやストレッチ

血行不良による手先や足先の冷えは、眠りを妨げる大きな原因となります。

就寝前のストレッチで血流の滞りを解消しましょう。

ベッドの上で仰向けになり、呼吸を整えて、「ワニのポーズ」「赤ちゃんのポーズ」といった軽いヨガや、背伸びや股関節周りをほぐすストレッチを行いましょう。

ヨガやストレッチを習慣化させることで、良質な睡眠をとることができるでしょう。

 

〈入浴のポイント〉

・お風呂の温度は熱くても40度まで

熱いお風呂やシャワーは、一時的に痒みを麻痺させますがNG行為です。

お風呂上がりの乾燥や痒みを引き起こさないよう、急激に血流を上げない38〜40度のぬるま湯でぬくもりましょう。

 

・寝る2~3時間前の入浴

寝る前の入浴は睡眠の質を高めます。

食後1時間以上あけて、寝る2〜3時間前、最低でも寝る1時間前までに少しぬるめの湯船につかりましょう。半身浴もおすすめです。

 

・皮膚の赤い部分はタオルで洗わない

皮膚が赤くなっている部分は、からだの中でもバリア機能が低くなっている部分です。

皮膚のバリア機能が低いところをタオルでゴシゴシ洗うと、肌を傷つけて皮膚症状の悪循環を招きます。石鹸を泡立てて、指で優しく洗うように心がけましょう。

 

〈食事のポイント〉

・腸活を中心とした食事

からだにいい善玉菌を含む食材と、その善玉菌の栄養源となる食材を合わせて摂ることで、効果的に腸内環境を整えることができます。

善玉菌を含む食材:発酵食品(ヨーグルト、ぬか漬け、納豆、キムチ、味噌、チーズなど)

善玉菌の栄養源となる食材:食物繊維やオリゴ糖を多く含む食材(穀類、豆類、さつまいも、ごぼう、海藻類、こんにゃく、リンゴ、バナナなど)

 

・白色の食材

中医学の観点から、肌は「肺」に属し「白いものは肺を助ける」といわれています。

白色の食材を積極的に取り入れることで、皮膚の潤いがサポートされ、皮膚症状の緩和が期待できます。

(例)白ごま、白キクラゲ、松の実、はとむぎなど

 

・糖質制限が重要

ジュクジュクした湿疹ができている場合や、皮膚症状が慢性化している場合は、摂取する糖質を減らすことをおすすめします。

糖質のとりすぎや血糖値の乱れは、アレルギーに対抗するコルチゾールというホルモン分泌を減少させます。さらに、胃腸にも負担をかけやすいため、皮膚症状を悪化させてしてしまうのです。

糖質を控え、その分たんぱく質をしっかり摂ることが大切です。

 

〈保湿のポイント〉

・部屋の湿度は50%~60%に保つ

空気が乾燥しすぎると、皮膚表面の角質層から水分が奪われやすくなってしまいます。

とくに、冬場の乾燥には要注意。加湿器などで部屋の湿度を保つことが大切です。

 

・入浴後はすぐに保湿する

入浴後は、なるべく5分以内に保湿しましょう。

入浴後の皮膚は水分を吸収しているため、保湿剤を塗ることで水分が蒸発しないようにふたをすることができます。もしも5分を過ぎてしまった場合は、化粧水を入れた霧吹きで皮膚を湿らせてから保湿剤を塗るといいでしょう。

 

・自分に合った保湿剤を使う

前回の記事でご紹介した保湿剤のポイントを確認し、ご自身に合ったものを選択しましょう。

皮膚に合わない保湿剤を用いると、皮膚症状が悪化する可能性があります。

(例)皮膚の乾燥が進みすぎている場合、ヘパリン類似物質を塗ると痒みが増すことがあります。

 

2.アトピー性皮膚炎には漢方で内側からのアプローチもおすすめ

中医学の観点から、アトピー性皮膚炎は免疫低下・免疫過剰の状態と捉えられます。

どちらの状態であるかは人それぞれで、免疫が低下している場合は高める治療を行い、反対に免疫が過剰な場合は抑えるような治療を行います。

 

アトピー性皮膚炎は、外部環境やストレス、疲労、食事、ホルモンバランス、月経などさまざまなことに影響されやすい複雑な疾患です。

多くの病証が絡み合っているように思えますが、元をたどると、正気(気・血・津液・精・陰・陽)の不足が根本にあると考えられます。

この正気不足に、外部環境による六淫や飲食不節、ストレス、過労などの誘因・増悪因子が加わることで、アトピー性皮膚炎を発症あるいは悪化させてしまうのです。

 

中医学では「皮膚は内臓の鏡」と捉え、皮膚の状態だけでなく体質・生活状態を詳しくチェックして、五臓と気血水の状態を考えます。

以下に、アトピー性皮膚炎の人・なりやすい人の体質項目を示します。

年齢ごとの項目と共通項目をチェックしてみてください。

 

〈乳幼児〉

□起立 or 歩行 or 言葉 or 発毛 or 歯の生え揃えが遅い

 

〈小児〉

□ファストフードを好んで食べる

□学校や家庭環境に対しストレスを感じることがある

□悩み事がある

□赤にきびができやすい

□手足が冷えやすい

 

〈成人〉

□仕事や学校でストレスを感じることが多い

□暴飲暴食することがある

□爪が割れやすい、縦じわができている

□ここ1年で視力が低下した

□心配事や不安を多く感じる

□生理前のPMS症状(胸の張り、頭痛など)が気になる

□上半身がのぼせ下半身が冷える(とくに夕方)

□腰痛や重だるさがある

□抜け毛が増えた

 

〈共通項目〉

□胃腸機能が弱い

□便秘や下痢になりやすい

□甘い物を好み、野菜を嫌う

□朝なかなか起きられない

□風邪を引きやすい

□疲れやすい

□食欲がわかない

□声に力が入らない

□汗をかきやすい

□よく夢を見る

 

チェックした数が多い人ほど、皮膚症状に出やすい可能性があります。

チェックの数は多いけれど皮膚症状に出ていないという人は、これからアトピー性皮膚炎になる可能性もありますので、今のうちに改善していけるといいですね。

 

長年の不調は薬が効かないのではなく、体質が関係している場合が多く見られます。

慢性化したアトピー性皮膚炎には、西洋医学的治療に加え漢方薬で内側からもアプローチすることをおすすめします。

 

中医学の治療方針としては、現在生じている不快な症状に対する「標治」と、体質の根本を治す「本治」のふたつがあります。

体質改善が基本となりますが、アトピー性皮膚炎では湿疹による辛さを軽減させないと継続した治療が行えないため、対症療法である西洋医学的治療も必要となります。

「八仙堂」では、西洋医学的治療の効果をより発揮できるように、漢方薬を選びご提案いたします。

 

漢方薬は、その人に最適な生薬の組み合わせでないと効果がないだけではなく、副作用が起こる場合もあります。大切なのは、自分に合った漢方薬を選ぶことです。

「八仙堂」では、店舗でのご相談だけでなく、「Web漢方相談(メール相談)」や「電話相談」も行っていますので、こうした相談窓口を利用して、専門家に相談してみるといいでしょう。

自分に効く漢方と出会いたい、お手頃価格で不調を改善したい、という方にぴったりです。

 

八仙堂HP:https://www.hassendou.com/

Webメール相談はこちら:https://ssl.form-mailer.jp/fms/e76d9c50312236

 

3.アトピー性皮膚炎に負けず快適な生活を送ろう

アトピー性皮膚炎は、症状の増悪・軽快を繰り返しやすい疾患です。

皮膚症状が出にくいからだ作りをするには、生活習慣を見直してこころとからだのバランスを整えることが大切です。

患部のみ治す対症療法だけでなく、からだの内側から改善していきましょう。

まずは、できるところからセルフケアを始め、アトピー性皮膚炎の症状を予防・対策できるといいですね。また、根本的に体質改善するには漢方がおすすめです。

アトピー性皮膚炎の症状を改善して、今よりも快適な毎日を過ごしていきましょう。

 

〈この記事を書いた人〉

八仙堂(漢方相談員、薬剤師)堺谷 弥幸

お客様のお悩みやご相談に、誠心誠意お答えいたします。

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