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2022.03.12
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【薬剤師が解説】アトピー性皮膚炎と上手につきあえるからだに!

「季節の変わり目になると、湿疹や痒みが悪化してつらい」

「アトピー性皮膚炎とうまく付き合えるようになりたい」

そんなお悩みをお持ちではありませんか?

 

アトピー性皮膚炎は、幅広い年代の人がなり得る疾患で、漢方相談の中でも多いお悩みのひとつです。慢性化すると、増悪・軽快を繰り返して治りにくくなってしまいます。

アトピー性皮膚炎を理解して、ご自身に合った治療とセルフケアを行うことで、症状に悩まされず快適な日常生活を過ごしていくことができるでしょう。

 

そこで今回は「アトピー性皮膚炎の原因とメカニズム」についてご紹介します。

また、別の記事では「アトピー性皮膚炎の西洋医学的治療」「年代別の養生法(セルフケア)、中医学観点における体質チェック」をご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

 

1. アトピー性皮膚炎は体質のせい?原因を徹底解説

よくなったり悪くなったりを繰り返す「アトピー性皮膚炎」。

アトピー性皮膚炎の症状として、湿疹や痒み、皮膚の乾燥、赤みなどが挙げられますが、これらの症状は様々な要因が重なっていることが多い(多因子性の病気)といわれています。

以下に、アトピー性皮膚炎の原因を「体質的な要因(内因)」と「環境的な要因(外因)」の2つに分けて詳しくご説明します。

 

1-1. 体質的な要因

・アトピー素因

アトピー素因とは、遺伝的にアレルギーを起こしやすい体質のことで、日本人の約30%がアトピー素因を持っているといわれています。

アトピー性皮膚炎をはじめとするアレルギー疾患は、アトピー素因が遺伝子に組み込まれた体質を受け継いだ人に選択的にあらわれます。

そのため、家族または本人に、喘息やアレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎の既往歴がある人は、アトピー素因を受け継ぐ可能性が高いと考えられています。

また、アレルギーを引き起こすIgE抗体がつくられやすい性質を持つ人は、アトピー性皮膚炎になりやすいといわれています。

 

・バリア機能の低下

体質的に皮膚のバリア機能が低い人は、少しの外部刺激にも負けてしまいます。

そのため、外からの異物が容易に皮膚内へ入りこみやすく、皮膚症状が生じやすいといわれています。

もともとの体質が要因になるほか、物理的な刺激(こする、掻く)によっても引き起こされます。

 

1-2. 環境的な要因

・アレルゲン

牛乳や卵などの食べ物、ほこり、ダニ、カビ、雑菌、花粉、化学物質などのアレルゲンが体内に侵入し、アトピー性皮膚炎を引き起こすことがあります。

とくに、乳幼児では、牛乳、卵、大豆、そば、小麦粉などの食物がアレルゲンとなることが多いといわれています。

 

・皮膚への外部刺激

汗、衣類の摩擦、乾燥、化粧品など外部からの刺激により、皮膚のバリア機能が低下して、アトピー性皮膚炎を引き起こします。

 

・免疫力の低下

ストレスや寝不足、過労により免疫力が低下すると、症状が悪化しやすくなります。

さらに、ストレスによるイライラで皮膚を掻きむしってしまうと、皮膚のバリア機能が低下し悪循環が生じてしまうのです。

また、今までアトピー性皮膚炎の症状がでていなくても、アトピー素因を持っている人は免疫力低下によって急に症状が出てくる場合もあります。

 

2. アトピー性皮膚炎のメカニズム

アトピー性皮膚炎の人の多くは「皮膚のバリア機能が低下」しており、少しの外部刺激でも敏感に反応して皮膚症状がでやすい状態です。

以下に、「なぜ、皮膚のバリア機能が低下するのか」「皮膚のバリア機能低下すると、なぜアトピー性皮膚炎が生じるのか」についてご説明します。

 

2-1. 皮膚のバリア機能が低下するのはなぜ?

皮膚のバリア機能が低下するメカニズムとして、遺伝的なものと物理的なもの(外部刺激)の2つが挙げられます。

 

ちなみに、皮膚の一番外側には「角質層」という約0.02mm(ティッシュペーパー1枚程度)ほどの薄さの層があります。この角質層に含まれる成分が、外部刺激から肌を守る「バリア機能」や、水分を皮膚の中に保持する「保湿機能」の重要な役割を担っているのです。角質層がいかに薄く、傷つけてはいけないか・保湿が大切か踏まえたうえでメカニズムを理解していきましょう。

 

〈遺伝的なメカニズム〉

アトピー性皮膚炎の人の約30%は、「フィラグリン」をコードする遺伝子が変異しているとの報告があり、これが体質的な皮膚のバリア機能低下につながるといわれています。

「フィラグリン」とは、角質層に含まれる「天然保湿因子(NMF)」の元となるタンパク質のことで、このフィラグリンが産生されないと天然保湿因子がつくられません。

 

【天然保湿因子のはたらき】

・保湿機能:水分を皮膚の中に保持します

・バリア機能:外部刺激から肌を守ります

 

そのため、遺伝的に「フィラグリン」がつくられない人は、天然保湿因子がつくることができず、結果、保湿機能やバリア機能が低下して外部からの刺激を受けやすくなってしまうのです。

 

〈外部刺激によるメカニズム〉

外部からの刺激は、皮膚のバリア機能や潤いを低下させます。

バリア機能に必要な角質層はとても薄いため、外部刺激により角質が剥がれると、皮膚のターンオーバー(*1)のサイクルを無理に早めてしまいます。

ターンオーバーが早くなると、通常よりも短い期間で細胞が成長するため、必要な成分を充分につくれず角質層は「未成熟」な状態となります。そうすると、角質層内の細胞間に隙間ができ、保持されていた水分が蒸発し乾燥しやすくなります。その結果、潤いを保てず皮膚のバリア機能が低下してしまうのです。

 

(*1)ターンオーバー

皮膚の新陳代謝のこと。以下の仕組みが、約6週間のサイクルで起きています。

真皮で新しく細胞がつくられる→新たな細胞が上へ上へと押し上げられる→成長して肌の表面(表皮の一番内側にある基底層)に出てくる→表皮の一番外側(角質層)で垢や古い角質として剥がれ落ち、新しい細胞と入れ替わる。

 

2-2. 皮膚のバリア機能が低下するとどうなるの?

バリア機能が低下した皮膚では、アレルゲン(雑菌・ダニ・ホコリ・化学物質・食品などの刺激物)が容易に侵入しやすくなります。

そうすると、アレルゲンの侵入を防ぐために免疫機構がはたらいて、体内で「抗原抗体反応」が起こります。この反応により、炎症や痒みを生じる物質(ヒスタミンなど)が放出され、つらい皮膚症状が生じてしまうのです。

 

また、抗原抗体反応の過程でとくに主体となるのは、Th2細胞と呼ばれるリンパ球の活性化です。Th2細胞は炎症性物質(サイトカイン)を産生し、これらが角質細胞の障害やバリア機能の低下、痒みの惹起、さらなるTh2細胞の活性化による悪循環を引き起こします。

 

このようなメカニズムで、アトピー性皮膚炎の慢性的な病態が形成されます。

 

痒みを我慢できずに掻き壊してしまうと、より一層バリア機能が低下して炎症が慢性化してしまいます。反対に、炎症は落ち着いていても苔癬化した(カサカサした)皮膚を放置しておくと、季節的な要因(気温・湿度の変動など)で痒みが再燃してくる場合もあります。

 

〈まとめ〉

アトピー性皮膚炎の原因や、症状を悪化させる要因はさまざま挙げられます。

普段からストレスや睡眠不足を感じていたり、暴飲暴食など生活習慣が乱れていたり、といったことに心当たりはありませんか?

体に負担がかかる状態を放っておくと、体内循環も悪くなり、皮膚に栄養を送り込めなくなってしまいます。

長引く症状に悩まされず快適な生活を送るには、原因やメカニズムを理解した上で、ご自身に合った治療やセルフケアを行うことが大切です。

 

「ご自身の体質を詳しく知って、適切な治療をしていきたい」

「食事や運動など健康に気をつかっているのに、なかなか症状がよくならない」

そういった人は専門家に相談してみるといいでしょう。

「八仙堂」では、体質に合わせた漢方薬だけでなく、養生法(セルフケア)や西洋薬について、お客様の納得がいくまで詳しくご紹介・ご説明させて頂きます。

店舗でのご相談だけでなく、「Web漢方相談(メール相談)」や「電話相談」も行っていますので、こうした相談窓口も利用してみてくださいね。

 

八仙堂HP:https://www.hassendou.com/

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次回は、病院で処方される治療薬について正しく使用して頂くために、西洋医学的治療におけるお薬や治療法についてをご紹介していきます。

患者様からよく頂くご質問や、お薬の比較などについてもお話ししていきますので、ご自身が使われているお薬について理解を深めていきましょう。

 

〈この記事を書いた人〉

八仙堂(漢方相談員、薬剤師)堺谷 弥幸

お客様のお悩みやご相談に、誠心誠意お答えいたします。

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