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不妊症と漢方薬

不妊症の定義
避妊をしない普通の性生活を営んでいる夫婦であれば、一般に
結婚後1年以内で70%~80%、2年以内で80%~90%が妊娠
すると報告されています。女性の結婚年齢も高くなってきてい
ますので1年以上徴候がないときは早めに不妊対策を考えた方
がよいでしょう。一般的な不妊原因としては、男性では精子の
運動率や量が問題となる造精障害・機能不全、女性では排卵障
害・着床障害・黄体機能不全・卵管障害・子宮障害(子宮内膜
症・子宮筋腫)・免疫性不妊など様々な原因が考えられます。
排卵の仕組み
生理が始まると卵胞刺激ホルモンが卵巣に指令を出し、
卵胞ホルモンが活発になり、卵巣内の卵胞が2センチ程度に
なるまで大きく成長し、さらに子宮内膜も着床し易くなるために
肥厚して排卵時期を迎えます。
ここまでの変化が低温期に起こる変化です。
生理が始まって2週間程度で排卵を迎えた卵胞が割れて
卵子が飛び出してくるのが排卵です。
卵子は排卵されて24時間、精子は48時間が活性の高い時期
になるので排卵日に合わせた性交渉のタイミングを計ることが
大切になります。
漢方的な解釈
このように生理が始まってから高温期になるまでの低温期に
血液を通して酸素や栄養が運び込まれて卵胞や子宮内膜が
どのように育つかで、卵子の発育や高温期での体温上昇など
全ては決まってくるといっても過言ではありません。
基礎体温についてはこちらから
漢方治療では、大切な低温期に多くの酸素や栄養が必要と
なる排卵の仕組みを考えて、女性の場合は酸素や栄養を
運搬する血液を補っていくことを中心に『妊娠しやすく流産し
にくい体作り』を、男性の場合は精子の質を向上することを
目標にしてそれぞれの体質に合わせた治療を行います。
代表的な漢方薬については別表を参考にしてください。(別表)
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《女性編》
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タイプ別分類
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主な生理前症状
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代表処方
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肝気鬱結タイプ
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・生理不順(周期不定)
・生理前後での情緒不安定
・生理前の乳房や下腹部の張り
・イライラして怒りやすい
・吹出物ができやすい
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加味逍遥散合四物湯
逍遥散
女神散
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気血両虚タイプ
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・低温期が長めで体温低め
・色白で疲れやすい
・めまいや動悸がしやすい
・生理前に食欲がなくなる
・生理前に気分が落ち込み易い
・生理前に物忘れが増える
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十全大補湯
当帰養血精
参苓白朮散
※血液を増やす原料としてスッポンまむし粉末などを併用する場合が多い
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瘀血タイプ
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・月経痛が強い
・経血黒く、血塊が多い
・慢性的に頭痛や肩こりがする。
・顔が火照り、足が冷える
・唇の色が暗い紫色
・手足がしびれやすい
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桃紅四物湯
桃核承気湯
血府逐瘀湯
芎帰調血飲
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腎陽虚弱タイプ
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・高温期が低くて短い
・周期は長めで体温はガタガタ
・おりもの少ない
・冷え症で顔色白い
・トイレが近い
・生理中は腰が重だるく、下へ
引っぱられるような痛みがある
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八味地黄丸
牛車腎気丸
温経湯
※冷えが強い場合は鹿茸を併用することが多い。
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《男性編》
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気虚タイプ
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・精子の運動率が低い
・疲労感が強く、性欲が起こらない
・日頃から胃腸が弱い
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補中益気湯
柴芍六君子湯
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肝鬱タイプ
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・日頃からストレスが多い
・寝つきが悪い
・イライラしやすい
・肩こり、頭痛が起こりやすい
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柴胡加竜骨牡蛎湯
加味逍遥散
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腎陽虚タイプ
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・精子量が増えない
・寒がりが多い
・夜間尿、頻尿傾向
・性欲が起こらない
・アレルギー体質(遺伝)
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八味地黄丸
海馬補腎丸
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最近話題になっている周期療法なども、素人判断での服用は避けて漢方薬に精通している医師や薬剤師に基礎体温表を持参した上で相談されて、ご自分の状況や妊娠の仕組みなどを理解した上で体質に合った方法で1日も早くに子宝に恵まれるように取り組んでください。
また、せっかく妊娠したにも関わらず15週目に入る前に流産してしまうケースが増えてきています。胎児の発育に欠かせない血液循環を悪化させる喫煙や冷たいものの摂り過ぎは絶対に避けましょう。男性の場合は元気な精子を造るためにも缶コーヒーやインスタント食品は控えましょう。
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